弦楽器の音色分析 Analyze of Violin Timbre

オールドヴァイオリンの音色(スペクトラム分析)

Spectrums by FFT analyzer, Stradivari(1698) vs Fangola(1923) F#5 on E string

Analyzing the tone in a professional violinist's performance Thais meditation with expression, not mechanical bowing. 

上の図はよく格付け番組にでてくる名器ストラディバリ(1698年製、上段)と、近代の名匠ファニオラ(1923年製、下段)のF#5(ファ#739.9Hz)についてFFTによるスペクトラム分析をしたものです。ヴァイオリンは、一つ一つ音色が異なります。それは、木の材質が原因であったり、制作した職人のポリシーや腕の違いであったりと、様々な要因があります。制作された年代の違いに着目し、実際に弾いたバイオリンの音色がどのように異なっているのか、また年代ごとにどのような違いがあるのかを検証しています。

新作からモダン、セミオールド、オールドのヴァイオリンを並べ、プロの演奏者に順に「タイスの瞑想曲」の旋律を演奏してもらいました。よくある音響分析には駒部分のハンマータップによる減衰特性や、弓で弾いたとしても音階や開放弦くらいですが、名器の良さはプロが音楽的に弾いたときのその表現力に価値があります。ということで、奏者には十分弾きこんで気持ちよく弾いてもらった状態で音を録音しました。

Comparison of overtones Stradivari(1698), Fagnola(1923), Pressenda(1838) 

Stradivari's S/N ratio is higher, which make the timbre clearer.

基準となるピッチを基音(f0)といい、この場合、演奏している音の高さになります。この基音に対する倍音成分や非整数倍音の配合が音色を決める主要素なのですが、それらをグラフ化したものが図です。この音に関してはストラディバリはファニオラやプレッセンダに比べS/N比(整数倍音と非整数倍音の比)が大きく、より音色に雑味の無いクリアな音といえるでしょう。

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